金川悟之さん 2015.03.19

東京大学文科三類(2013年度入学)

 東京大学二次試験の本番で、白紙の答案を提出したことがあります。ある問題につまずいたことからパニックに陥り、まったく英文が読めなくなってしまったのです。神戸の予備校で初めて横山先生にお会いしたとき、私は英語に対する恐怖感にすら苛まれていました。その不安を自信へと変えてくれたのが、このロジカル・リーディングでした。

 ひとつ強調しておきたい点としては、このロジカル・リーディングが、ただただ英語の長文を速読するために考案されたような、小手先のテクニックではないということです。単熟語や文法といった基礎をないがしろにしていては、身につく読解力も身につきません。カンタンに、そしてあっという間に英語力が向上する、そんな「魔法」なんて存在しないんだと、横山先生が繰り返しおっしゃっておられたのが印象的です。

 しかし、だからこそ、じっくり英文と向きあおうとするうえで、きちんとした「作法」を学ぶことが大切になります。1年も英語を濫読していれば、たしかに「それなりに読める」ようにはなるでしょうが、せいぜい「それなり」どまりです。そのことを、私は白紙の答案を前にして強く思い知らされました。横山先生のご指導は、たいへん親身でありながら、それゆえ時に容赦ないものでしたが、一年間の授業を耐え抜き、「クレーム」「同形反復」「信号語」といったロジカル・リーディングのメソッドを使いこなせるようになったとき、もう英語に対する苦手意識は払拭されたも同然でした 。自分の語彙力や文法に関する諸知識が、有機的な連関でもって、英文の構造を浮かび上がらせている、そう実感できるようになったのです。

 無事に受験も成功して大学生となったいま、しかし英語とつきあう機会は絶えることがありません。いまでも英文を読む際には、この読解法を実践しています。もちろん、受験のときと全く同じようにではありません。それだけ応用の幅が効くということです。合格を報告したときには「早く予備校のことなんて忘れて、大学で新しい恩師を見つけなさい」と言われてしまいましたが、この先も当分は英語を読むたびに横山先生を思い出すことになりそうです。本当に感謝しています。ありがとうございました。